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予防接種のお話

 

肺炎球菌感染症とは

肺炎球菌によって引き起こされる感染症のことです。

肺炎だけでなく、他にも中耳炎や副鼻腔炎などを発症することもあります。脳や脊髄を覆っている髄膜の部分に感染すると髄膜炎になったり、原因となる菌が血液を通して全身に運ばれると敗血症を起こすなど、重症化するケースも見られます。特に、免疫機能の未発達な乳幼児や加齢により免疫機能が低下している高齢者に感染しやすく、重篤な症状を引き起こしやすい感染症の1つです。

原因

症状が悪化しやすい肺炎球菌の種類は、それほど多くなく、乳幼児、大人でも常在している確率が高いといわれています。免疫力が弱い乳幼児や高齢者でなくても、小児と接する機会が多い大人、がん患者や慢性疾患を持つ患者は注意が必要です。

また、インフルエンザにかかった後に弱っている喉の粘膜から感染して肺炎が起こることもあります。乳幼児が集まる保育園や幼稚園、高齢者が利用する介護施設などでは感染が広がりやすいので注意が必要です。

症状

・発熱や全身のだるさ、悪寒を感じるといった症状が急激に出現

・季節は関係なく、一年中いつでも発症する可能性が高い

・咳や喉の痛み、強い胸の痛みを胸部の左右いずれかに感じる

・血が混じった痰

・呼吸のしづらさ

ただし、高齢者ではこうした症状がはっきりと見られない場合もあります。また、肺炎の他にも肺炎球菌が感染する場所によって、中耳炎、副鼻腔炎、髄膜炎などが起きると、それぞれの状況に応じた症状が発生します。

検査・診断

・肺炎については、胸部エックス線検査や、CTを行います。

・たんや血液を採取して原因菌が検出されるかを検査(肺炎が肺炎球菌に感染して起きているものかどうかを調べるため)

また、成人の場合は尿中の肺炎球菌に対する抗原を調べるための検査キットを使う場合もあります。肺炎球菌による髄膜炎が疑われる場合は、腰椎穿刺(ようついせんし)の検査を行います。背中から背骨に注射針を挿入して髄液を採取し、炎症の有無や細菌感染があるかどうかを調べることもあります。

治療

基本的には抗菌薬を用いての治療を行います。

一般的にはペニシリン系の抗菌薬が投与されることが多いですが、最近は抗菌薬に耐性を持つ菌が増えています。この結果、治療に使える薬が限られ、重症化の原因ともなっていいます。肺炎球菌が引き起こす中耳炎でも耐性菌が多く、治りにくい傾向にあります。髄膜炎の場合は、重症化して命に関わるケースもあるため、治療初期から大量の抗菌薬を投与したり、複数の抗菌薬を投与したりする。

予防・治療後の注意点

日本人の死因の中で、肺炎は第3位に挙げられます。また肺炎を起こす原因として、最も多いのが肺炎球菌です。

このため、ワクチン接種を受けることが、予防や重症化を防ぐための大きな意味を持ちます。

乳幼児であれば生後2ヵ月から5歳まで接種できるが、1歳未満の罹患率が高いことを考えると、できるだけ早めに接種を始めたほうがよいとされています。

高齢者については、定期予防接種の対象になっており、65歳で一度ワクチン接種を行い、以後5年間隔で接種することが推奨されています。

当クリニックでは、成人肺炎球菌のワクチンを受けることができます。

対象の方は、厚木市の助成を受けられます。詳しくはこちらをご覧ください。

 

 

 

 

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