夏の腹痛・下痢・吐き気は夏バテ?原因・受診目安を消化器内科医が解説|ほんあつ胃腸科・内科クリニック
8月の院長ブログ
夏の胃腸疲れ
その症状「夏バテ」だけではないかもしれません
こんにちは。ほんあつ胃腸科・内科クリニック院長です。
8月になると、 「食欲がない」「吐き気がする」「お腹が痛い」「下痢が続く」「頭痛やだるさがある」 といった症状で受診される方が増えてきます。
「暑いから仕方がない」「夏バテかな」と思われがちですが、 中には治療や検査が必要な病気が隠れていることもあります。
今回は、夏に多い胃腸の不調と、ご家庭でできる予防法、受診したほうがよい症状についてご紹介します。
1.熱中症は胃腸症状から始まることもあります
熱中症というと、めまいや意識障害を思い浮かべる方が多いかもしれません。
しかし実際には、次のような症状だけで始まることもあります。
- 吐き気・食欲低下
- 頭痛
- 腹痛
- 全身のだるさ
暑い日に大量の汗をかくと、水分だけでなく塩分や電解質も失われます。 喉が渇いてから一度に飲むのではなく、 少量ずつ、こまめに水分を補給すること が大切です。
水分補給のポイント
汗を多くかいたときや、吐き気・下痢があるときは、水だけでなく経口補水液などで塩分・電解質も補いましょう。 ただし、心臓病・腎臓病・高血圧などで水分や塩分を制限されている方は、主治医の指示を優先してください。
2.夏は胃腸炎・食中毒が増える季節
気温と湿度が高くなる夏は、細菌やウイルスによる胃腸炎や食中毒に注意が必要です。
特に次のような場面では、食品の管理に気をつけましょう。
- バーベキュー
- お弁当
- 生もの・加熱が不十分な肉や魚
- 作り置き料理
食中毒予防の基本
手洗いを行う/中心部まで十分に加熱する/調理後は早めに食べる/適切に冷蔵保存する
3.旅行後の腹痛・下痢
夏休みは旅行や帰省によって、普段と食事内容や生活リズムが変化します。
旅行後の腹痛や下痢には、次のような原因が考えられます。
- 食事内容や食事量の変化
- 睡眠不足・疲労・ストレス
- 飲酒や水分不足
- 細菌・ウイルスなどによる感染症
発熱や血便を伴う場合、腹痛が強い場合、海外旅行後に下痢が続く場合には、 自己判断で下痢止めを使用せず、早めに医療機関へご相談ください。
4.冷たい飲み物の摂りすぎにも注意
暑い日は、アイスや冷たい飲み物を取る機会が増えます。
冷房の効いた部屋で、冷たい飲食物ばかり取る生活が続くと、 腹痛・下痢・胃もたれなどが起こりやすい方もいます。
冷たい飲み物だけに偏らず、温かい味噌汁やスープ、常温の飲み物を一品加えることも、 胃腸をいたわる方法の一つです。
漢方から見た夏の胃腸
漢方では、夏は 「暑さ」と「湿気」によって胃腸が疲れやすい季節 と考えます。
症状や体質に応じて、五苓散、清暑益気湯、六君子湯などを使い分けることがあります。
漢方薬は「同じ腹痛なら同じ薬」ではありません。 冷え、口渇、むくみ、食欲、便の状態などを確認し、原因や体質に合わせて選ぶことが大切です。 当院でも必要に応じて漢方治療をご相談いただけます。
夏におすすめの食事・薬膳のポイント
毎日の食事でも、胃腸への負担を減らすことができます。
夏野菜を上手に取り入れる
きゅうり、冬瓜、トマトなど、旬の野菜を無理のない範囲で取り入れましょう。
たんぱく質を不足させない
豚肉、白身魚、卵、豆腐、納豆など、体調に合わせて食べやすいものを選びましょう。
温かい一品を加える
味噌汁、スープ、お粥などを組み合わせることで、冷たいものに偏りすぎるのを防げます。
アルコールは控えめに
飲酒は脱水を進めることがあります。飲酒時にも水分補給を心がけましょう。
このような症状は早めに受診してください
- 血便が出た
- 激しい腹痛が続く
- 高い熱がある
- 水分が飲めない、尿が極端に少ない
- 嘔吐が止まらない
- 下痢が数日間続く
「下痢や腹痛を繰り返している」
「食欲や体調がなかなか戻らない」
このような場合は、原因を確認するため診察や検査が必要になることがあります。
高齢の方、お子さん、持病のある方は脱水が進みやすいため、症状が強くなくても早めにご相談ください。 意識がもうろうとする、呼びかけへの反応が悪いなどの症状がある場合は、救急受診が必要です。
症状に応じて必要な検査を行います
当院では診察のうえ、症状や経過に応じて次のような検査を組み合わせ、原因を確認します。
- 血液検査
- 尿検査
- 便検査
- 腹部超音波検査
- 胃カメラ
- 大腸カメラ
すべての方に内視鏡検査が必要になるわけではありません。 症状、年齢、経過、診察所見を確認し、必要な検査をご提案します。
「夏バテかな」と思っても、我慢しすぎないでください
夏の胃腸症状は、水分補給や食事の工夫で改善するものもあります。 一方で、感染性胃腸炎、食中毒、脱水、消化器疾患などが隠れていることもあります。
症状が長引く場合や、いつもと違う強い症状がある場合は、お気軽にご相談ください。
※本記事は一般的な情報をお伝えするもので、個別の診断や治療に代わるものではありません。
掲載内容確認日:2026年8月4日
すすめの食事・薬膳
毎日の食事でも胃腸をいたわることができます。
おすすめは
🥒 きゅうり・冬瓜など旬の野菜
🐷 豚肉
🫘 豆腐・納豆など大豆製品
🍚 消化の良いご飯やお粥
🥣 温かい味噌汁
薬膳では「旬の食材を上手に取り入れる」ことを大切にします。
一方で、
冷たい飲み物やアルコールの摂り過ぎは胃腸への負担となるため注意しましょう。
このような症状は早めの受診を
次のような症状がある場合は、夏バテと思わず受診をご検討ください。
✅ 血便
✅ 激しい腹痛
✅ 高熱
✅ 水分が飲めない
✅ 嘔吐が続く
✅ 下痢が何日も続く
必要に応じて
・血液検査
・便検査
・腹部超音波検査
・胃カメラ
・大腸カメラ
などを組み合わせて原因を調べます。
「夏バテだと思っていたら病気だった」
そんなケースも少なくありません。
気になる症状がありましたら、お気軽にご相談ください。

